徐々に明るくなっていく。後頭部がズキズキ痛む。段々と自分の置かれている状況がわかってきた。荒縄で後手に縛られて、うつ伏せにされていた。門脇の声がした。
「気がつきましたよ」
客人に顎を掴まれて顔を上げさせられる。オーナー以外にそんなことされるのは、絶対嫌だ。
「まったく、たいした坊主や。気に入った。たっぷりかわいがったる」
やめてくれといっても聞いてはくれない。泣き叫んで嫌がれば、こいつらを喜ばせるだけだ。腹据えた。
客人がさっきの続きとばかりにモノを唇に近づけてくる。
「そんなの、噛み切ってやるからなっ!」
チンピラの誰かが背中を棒で叩いた。
「ぐあっ!」
客人が和巳の頬をつねった。
「この坊主なら、それくらいやりそうや」
客人が和巳の後に回った。両手で尻をむんずと掴まれる。ぐっと突き出す様な格好にされた。尻が左右に開かれて、穴が晒されていく。
「見ろや。まだケツ毛生えとらんぞ。ツルツルや。かわいいのお」
チンピラ連中の嘲笑が聞こえてくる。これは、ヤラセじゃない。本当にレイプされるんだ。くやしくて涙が滲んでくる。
「チクショウ・・・」
「楯突いたお仕置きや、このまま入れっぞ」
熱いモノが広げられたソコからドカッっと入ってきた。
「あっあっつ!?」
押さえ切れずに叫んだ。巨根が入った内部が裂けそうだった。グワッと動かされて、腰骨がバラバラになるような激痛が走る。
「わあぁっ!?」
堪えようもなくて喚いた。和巳のソコが何とか拒もうとして、ギュッと締まって行く。客人が野太く唸った。
「ううむぅ、エエ、・・・エエケツや」
和巳の尻に客人の指が食い込んでいく。熱い固まりがピストンの様に動かされる度に、体中が痛みで悲鳴を上げる。
・・・痛い!ちくしょう!何でこんなぁああ・・・嫌だっ!
和巳の口から唾液が畳に垂れて染みていく。
「おおうっ!」
達した客人が何度も痙攣した。すっかり満足したらしい息を吐きながら、ゆっくりと引き出した。
汗びっしょりの和巳が全身で喘いだ。汚されたバックがヒクヒクと動いている。チンピラたちの目がギラついていた。前を開けている奴もいる。
「おやっさん、早く回してくださいよ!」「もう待てないっスよ!」
・・・くそっ・・・こんな奴らに輪姦されるなんて・・・
客人が和巳を仰向けにした。和巳の顔を押さえ込み、その上にドロドロに汚れたモノを置いた。放ったばかりなのに、もう勃起していた。
「どかせよ!クソッタレ!」
首を振って嫌がると、客人が喜んだ。
「ホンマ、エエ根性しとる」
モノをごしごし擦りつけてくる。
「坊主、儂のマラ、しゃぶってみ」
「だれがするかっ!」
拒めばどんな目に会わされるかわからないのに、ここまでつっぱれるとは自分でも驚いていた。にやっと笑った客人が門脇を呼んだ。
「門脇、シャブ」
和巳の体がピクッと動いた。そんなもの一度でも打たれたりしたら、止められなくなったりして・・・そんなことになったらバスケができなくなる。そんなの嫌だ。
門脇が注射器を持って和巳に近づいた。和巳は抵抗しようとしたが、すぐにチンピラに押さえられてしまった。力が入らず、さっきのようにはいかない。
門脇が大腿の内側に手を置いた。
「ここにしますか」
「止めろ!」
和巳が怒鳴った。客人が、和巳の鼻を摘んで捻った。
「そんなに嫌か、あれ打ったらエエ気持ちになるぞ」
「そんなの打ってバスケ出来なくなったら、嫌だ!」
和巳がギラついた目で睨み上げた。客人は驚いていたが、鼻で笑い飛ばした。
「あんな球遊びのどこがエエんだか」
門脇から注射器を受け取った。先を首筋に近づける。
・・・もう駄目だ、オーナー、助けてくれよっ・・・
あそこにいれば、今ごろオーナーが迎えにきてくれていたのに。悔しくて唇を噛む。客人がデカいモノを和巳の顔から少し離した。
「坊主、打たれたくなかったら、尺八せい」
こんな奴のモノなんか舐めたくない。でも・・・。
震えながら口を開け、舌を出して舐め始めた。熱くぬるぬるしていて舌触りが気持ち悪い。肉棒に付いているネバネバが生臭くて苦い。
客人の指示でチンピラ共が和巳を起こし、縄を解いた。膝を付いた和巳の前に客人が仁王立ちした。
「ただ尺八するだけじゃつまらんから、センズリしてみせ」
和巳のモノは、ほとんど興奮していなくて、半勃ちだった。もう嫌も応もなかった。でも、尻を犯された時には感じなかった恥ずかしさが湧いてきた。それでも、客人のモノを口に含み、自分のモノを扱き始めた。
「しっかり咥えてろ」
そう言ってから客人は、腕組みして激しく腰を突き出した。
「ぐぷぅ!?」
ただでさえ奥までいっているモノが、さらにガツンガツンと当たってくる。
吐きそうだ。それに息が出来ない。詰まる寸前、やっと鼻で呼吸するのだとわかった。それでも辛さが無くなる訳ではない。つい下の手が疎かになる。チンピラの誰かが和巳の尻を蹴った。
「おい、手が止ってるぞ!」
「うっ!?」
体が弾む。どうにか手を動かしても、なかなか硬くならない。
「どうした、儂のマラ、旨うないんか」
・・・うまいもんかっ、おまえみたいなクソオヤジのなんか!チクショウ、仕返ししたい!このクソオヤジを同じ目に会わせてやりたい!メチャクチャ、ブン殴って、尻に俺のチンポブチ込んで、死ぬ程突いてやる!泣いてあやまれ!クソッタレ!
その想像は和巳をひどく刺激した。パンパンに張ってきた。客人がうれしそうに目を細めた。
「おっ勃ってきた」
客人が和巳を仰向けにして、センズるのが見えるように向きを変え、和式便器に跨るような格好をした。ドスドスと突き捲ってきた。膨れ上った客人の袋が顔に当たる。
遂に、客人を犯していた和巳の『獣性』が吹き上がってきて、射精した。それを見た客人が呻いた。
「エエ眺めじゃい」
誘発されて、放出した。和巳の喉の奥がネトリとした精液で塞がれる。気管の方に入りそうで苦しい。吐き出したくても、仰向けだし、客人が退かないので出来ない。
「グフッ」
仕方なく飲んでしまった。
ようやく、客人が離れた。
「まだ泣きよらんな、おまえら、うんとシンドイ目に会わせたれ」
客人がチンピラどもに顎を杓った。
「有難うございます!」「いただきます!」
口々に言って、和巳に手を伸ばしてくる。和巳はすっかり力が入らなくなっていた。
両手両足を押さえ込まれ、チンピラのひとりが脚の間に体を挟んで、ヒクついている窄みにすぐに突っ込み、顔にまたがったヤツも無理やり口に入れてきた。
「くそガキのケツ穴、おやっさんの御汁でよくなじんでらっ!」「ほら、チン棒食わせてやるぜっ!うめぇだろが!」
回りも待ちかねたように自分で扱きだした。
「ケツ穴、ぶっ壊れるまでやってやるからな!」「精子ぶっかけてくださいって言えや!」
早く輪姦(まわ)せ、輪姦(まわ)せとはやし立てる。何人も入れ替わり立ち代り、和巳の股の間に入り、口腔もずっと塞がっていた。
和巳は痛みと悔しさで顔を歪めながらも泣かなかった。
それを暗く澱んだ眼で眺めていた門脇が注射器を手に近付こうとした。その時、事務所の方で、番をしていたチンピラの声がした。
「何だ、てめえ!」
和巳を囲んでいた連中がサッと振り向いた。客人もそちらを見て、驚いた。
「アンタ・・・は!」
二メートル近い長身が靴のまま畳の上に上がってきた。和巳が目を潤ませた。
・・・ここを探してくれたんだ。
眼鏡が冷たく光った。
「天乃さん、あらかじめこちらで用意したホテル以外でのお楽しみはお断わりしてあるはずだ。しかも、薬物を使おうとしたらしいな。ルール違反だ、メンバーは返して貰う」
客人が怒鳴った。
「おう!若造が、偉そうに抜かしやがって!八十万もだしたんや、こないな売り専、どこで何しょうと、儂の勝手やろ!何がルール違反や、舐めてんじゃねぇ!」
やはり本物、凄みがある。だが、オーナーはまったく平気だ。
「私が主催しているイベントだ。参加する以上、私のルールに従って貰う。それに、メンバーは売り専である前にフーパーースト・バスのプレイヤーだ。たばこも禁じている。まして、薬物などもっての外だ」
ゾクッとした。クールでかっこいい。痺れるって、こんな感じに違いない。
オーナーがチンピラ共を睨み回した。
「退け」
チンピラ共がそのプレッシャーに押されてひるんだ。その隙に和巳はぐらぐらしながら立ち上がった。オーナーがトレンチ・コートを掛けてくれた。肩を堅く囲まれる。チンピラ共がチェーンや木刀をもってきて前を塞いだ。
「このまま帰れると思ってんのかよ!」「やっちまえ!」
オーナーが客人の方を振り返った。
「カス共を下がらせろ。もし、私に何かあれば『アスラ』のシステムが起動するぞ」
客人が青ざめた。
「どうなるっていうんじゃい」
オーナーが険しい目をした。
「どうなるか、将門さんに聞くんだな」
客人がじりっと寄っていくチンピラ共を止めた。
「やめ」
オーナーが和巳を引きずる様にして歩き出した。ドラムバッグと服を拾う。
素足にバッシュを引っ掻けた。
後で連中のブーイングが広がっている。
「オヤッさん、いいんですかい!?」「このまま帰したんじゃ、示しつきやせんぜ!」
客人がチンピラ共を次々に張り飛ばした。
「くっそう、あの若造め!いったいどうなるってんじゃい 」
一人冷静な門脇が、あの目をオーナーの後姿に向けていた。
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